四半世記

感想文ページ(ネタバレあり)

遠見東高校生徒総会(やがて君になるスベシャルファンイベント) 昼公演に行ってきた

 

仲谷鳰という方の描かれた現在7巻まで発刊中の漫画を原作とした、

2018年10月5日から放映開始されたアニメ「やがて君になる」の、

スペシャルファンイベントに行ってきました。

BD/DVD1巻購入特典が昼公演の優先申込券で無事当選。

 

 

 

会場・開会

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場所は世田谷区民館ホールということで東急世田谷線世田谷駅から歩いてすぐ、国士舘大学のすぐ隣。

閑静な住宅街におしゃれそうなお店が混じる街並み。

会場は見た目とは違って中は結構ちゃんとしてました。

しかし5月なのに最高34度の猛暑、たどり着くのが一大事。

 

開会は生徒会長七海燈子役の寿美菜子さんの号令で起立・礼とともに学校らしく開始。

オープニングトークでは佐伯沙弥香についての2巻がとても推されていたのが印象的。

 

ベストときめきシーン

キャストが選んだやが君ときめきシーンをみんなで鑑賞して投票するコーナー。

聞くところによれば昼と夜ではチョイスが違うとのこと。

 

2話の踏切キスシーン:高田憂希(小糸侑役)チョイス

最もオーソドックスな選択、にみえるけれども後輩の唇を同意なく奪うという選ばれし人ににしか許されないシーン。

槙君役の市川さんも候補のひとつだったらしく、実況コメント付きでした。

 

あらためてみると侑が「私、好きになるとかないですけど」と言ったあとに振り向く燈子の表情が”ずっと探していたものを見つけた”っていう驚きと喜びに満ち溢れていてなんともいえない。

あそこまで綺麗に恋に落ちられるといきなりキスされてもなにもいえない、のかもしれない。

 

4話の生徒会室キスシーン:市川太一(槙聖司役)チョイス

流れた瞬間に会場に笑いが走ったシーン。

槙君の出番あり、「侑、えろい」あり、ともすればキスシーンが霞む盛沢山具合。

 

槙君役によるコメンタリーあり、最終的に昼の部ではこのシーンが一番人気だったこともあり、観る側が感覚を共有することの市場での影響力の強さを感じさせる。

 

7話の「いいわよ堂島君」シーン:野上翔(堂島卓役)チョイス

コミカルな部分もありつつ登場人物の水面下の探り合いもあり、味わい深いシーン。

このシーンを選ぶということ自体がなかなか玄人感があって、チョイスとして好き。

 

このイベント全体を通して堂島というキャラも中の人もすごくいいアクセントになってるなって思いました。

 

8話のさようなら先輩シーン:茅野愛衣(佐伯沙弥香役)チョイス

誰よりも佐伯沙弥香フリークな茅野さんチョイス。上二人もそうだけど場面が流れた瞬間に会場が察するのが面白かった。

 

さようなら部分までを取り出すとやってやったぜ!みたいな爽快感があるのだけれど、その後の燈子の脈なし感も含めると・・・

 

11話のお風呂シーン:寿美奈子(七海燈子役)チョイス

数あるエロ峠のなかでも最もコミカルな峠シーン。これも流れた瞬間会場が笑いの渦に。ここも心理的駆引きが面白いシーン・・・だけど、ときめき?

 

ここの「思ったよりある」のシーンをみると、燈子の欲望にまみれた眼差しは光の屈折を超えるんだなって。

 

 

上のなかだと2話のキスシーンに投票したけれど、ときめきシーンという枠じゃなかったら7話に投票したような気がする。

全編通しての個人的なときめきシーンは12話のベッドシーン。

「私のままの私になんの意味があるの」の冷たい眼差しとか、燈子が侑に冷たい面をはっきり見せるのが今となっては関係の進行だったと思う。

 

やがて〇〇の話になる

やが君のラジオの1コーナーの公開収録バージョン。

まったく関係のないお題二つについて自然に話題を切り替えていくという内容。

ラジオの流れを引き継いて高田憂希という人がすごく輝いていた。

 

前半は先輩チームでゴールデンウイークから生徒会役員に立候補したくなる話。

こちらは寿・茅野両氏が打ち合わせをしているときの表情がよかった。

 

後半は後輩チームで、お題は合宿からイベントグッズの話。

「ここは今から合宿場だ!」

という掛け声から始まる開幕10割。男性陣二人がノリが良かったからか大惨事は免れていたと思う。

 

どちらが自然だったかはいうまでもないけれど、インパクトがあったのは後半。

 

朗読劇

待望の原作者仲谷先生書き下ろし朗読劇。昼と夜で内容が少し異なったようなので、両方申し込んでおけばよかった。

 

内容は原作4巻の合宿1日目のカレーをつくっていた1コマを膨らませたもの。生徒会5人で買い物→カレー作りという流れ。

印象に残っているのは

  • ピーマン嫌いでカレーは甘口で二日目派な燈子先輩、子供舌設定
  • 好き嫌いなく食べても大きくならないものはならない(by侑)
  • なんだかんだ燈子先輩に甘口な侑と沙弥香。カレーは燈子先輩の望み通りの味付けに
  • じゃがいもの皮むきに苦戦する沙弥香先輩。劇での林檎の皮むきシーンを心配される。2期があったらこの設定はアニメに生かされるに違いない(可愛い沙弥香先輩の姿のためにも2期をどうか・・・)
  • 男性陣のほうが料理できる設定
  • 先輩たちとサイクリングに行きたい→やがて〇〇の話になるメタネタ。文字だと表しにくいんだけどここがすごくおもしろかった。計算か自然か、侑にポンコツ属性が
  • 「これじゃあただの高田さんだよ」(許可をとったうえでの市川さんのアドリブらしいけどこれで笑わずに演技を続けられるキャストの人々はやっぱりプロなんだなーって)
  • 福神漬けに異様な執着を見せる沙弥香先輩。結果、侑が買い出しに行き燈子がついていく流れになる痛恨のミス
  • 買い出しにいって帰らぬ人となったお姉さんを思い出して侑についてきた燈子先輩。甘いけどちょっとシリアスでしんみりな雰囲気で締め。4巻もコミカルとシリアスの揺れ幅が大きい巻だったことを思い出した。

いやあよかったよかった。

尺自体もそれなりにあり、新設定も開示され、燈子先輩らしいところも盛沢山。

声優という職業の人が演技をしているのをはじめて間近にみたけれど、それぞれページのめくり方とかこだわりがありそうな感じも眼福。

 

音楽鑑賞会

という名のライブ。全部で3曲で「君にふれて」「rise」「hectopascal」

会場がライブ向きでないので音が多いパートになると音響が厳しい感じになるのが惜しい。

 

安月名莉子という人をはじめてみたけれど、仕草とかがスレてなくて可愛い感じ。それでいて歌うときはギターを弾きながらだから、そのギャップが魅力的。

会場の音響が微妙だったから、むしろバック音楽なしに弾き語りのほうが映えたかもしれない。

 

hectopascalはなんと振り付けつき。これがなかなか意味がありそうな振り付けだったんだけど、記憶を思い出して細部を語るのは難しい。

hectopascalという曲は2番に重心があると思っていて、2番の「そんなことより明日は2人でどこかへ行こう」みたいな2人のズレを歌詞に落としているところがすごい。

で、ライブでもフルバージョンだったんだけど、振り付けも例えば歌いだしで侑は燈子をみているけれど燈子は侑をみていないみたいなそういう仕掛けがされていた。この振り付けは今回だけではもったいないと思うし、ズレがなくなった2人のキャラソンも聞いてみたい。欲望はつきない。

 

結び

今回のイベントは、原作が11月に最終巻ということでアニメの2期の発表があるかということが1つの焦点だったけれど、それはなかった。少なくとも最終巻にあわせた近い時期にはないということはいえると思う。

けれどもイベント自体はファンの喜ぶ要素が詰まった熱量のあるものだったので、いつか残りの部分も映像化されるという期待はもてた。イベントで高まった熱を静かに保ちつつそのときを待ちたい。