ICL(眼内コンタクトレンズ)を検討してましたが手術してきました。
前回記事
手術に至る決め手
1回目の検査で実際に説明を聞いた時点では悩んでいた。2回目の検査時点でも決めかねている部分はあった。
最終的にはメリット・デメリットは以下のように整理した。
メリット
- 眼鏡やコンタクトが(当分の間は)不要になり、年に1度検診に行く程度のメンテナンスで済む
- レーシックと比べて視力の戻りが起きにくい
- 乱視対応レンズであるため回転するリスクが少ない
- レンズが合わなかったら外すことができる
デメリット
- 新しい手術なので十年単位ではどうなるかわからない
- 眼鏡不要というメリットは老眼により終了し、視力回復の手術効果は白内障手術により実質的に終了する
- ハロー・グレアはほぼ発生し、他に合併症が発生するリスクがある
- 乱視が発生する可能性がある(今まで乱視がほとんどなかったため)
- 45万円ほどする(補正5D未満乱視なしアフターケア1年)
自分にとってのメリット・デメリットはこのように整理された。
前回の記事で説明したことは割愛して、2回目の検査で説明を受けたこととしては、ICLにより多少の乱視が発生する可能性があるというリスクだった。これは多少動揺した。
しかし最終的にはこの説明を受けたことにより手術を決意することにした。
ハロー・グレアが発生する以上見え方については神経質にならずある程度の寛容性を持つべきタイプの手術であるという認識を固めたこと、リスクを説明するという姿勢に信頼を置けたことが理由。
ICLに賞味期限があろうともこの10~15年くらいで稼いで隠居したいというのが考えなのでそれも許容範囲。
ということで手術を決意、レンズ代3万円を前金として払い手術数日前から点眼する目薬をもらって帰ってきた。
ちなみにICLで45万円というのはおよそ最安値圏内。転居するのでアフターケアは1年にした。1年後以降になにかあったら有償で治療を受けることになる。
手術の手順
手術当日は手術の同意書と手術代(42万円払えるクレジットカード)を用意していった。
手術のタイムラインはこんな感じ
14:10
受付
14:20
準備室に通されて薬を服用したり目薬をさしたりする
(鎮痛錠剤・リラックス錠剤・瞳孔を開く目薬・麻酔目薬・軟膏・笑気麻酔)
15:10
手術室に案内される
麻酔の効果で目に大量に目ヤニがのったような重さでぼんやりしつつ、緊張はする
15:45
手術が終わる(時計が見られないので推定)。40分リクライニングチェアで待機
16:30
眼圧測定、事後診察
16:40
帰宅
手術自体は短かったけど疲れた。準備室に通されてから長かったからその間が緊張してちょっと辛かった。
手術後の40分は視界の状態が気になりつつも寝ちゃった。
眼圧測定はいつもよりも刺激が強くてちょっと刺激が強かった。
で実際の手術の内容なんだけど、受けた病院が手術動画を出しているのでそれを参考資料に書いてみたい。
※多少のグロさがあります
1:07秒くらいから手術動画がはじまる。
まずこの眼球を見開いた状態になるで。
手術用ベッドに寝かされて顔の上からシートのようなものを被せられる。そしてまつげを巻き込まないように粘着テープのようなもので外側にはりつける。そして眼球部分だけシートの穴が開けられ、目を閉じないよう固定される。引っ張られる感覚があって少し痛かった。「大丈夫ですか」、と聞かれて多少の痛みがあったもののうなずく。
「手術を始めます」と言われる。
まず眼球に水を流して洗浄される。染みないけど多くの水量に晒される。
眼球にはライトが当てられる。
動画でも瞳に光が映ってるからたぶんそれ。「光のほうを見てください」と言われても眩しすぎてこんなん見てられるか、と思いながら目を向ける。数秒すると慣れてきて光源が3か所あることに気づく。下のひとつに焦点を合わせるよう言われる。
そしていよいよ目を切開される。動画の1:12くらい。手術中はジジジジという音がしたからレーザーで切ってんのかなと思ってたけど動画だとナイフで切ってる。麻酔が効いているのか切られた痛みはない。
次の目のなかに薬を入れられるフェーズも特に器具や薬が入ってくる意識はなかった。痛みもなし。
次のICLを挿入される部分は感覚があった。凝視している光源が動くため目玉が動いているんだろうなと想像が働いてしまう。やがて目のなかになにかが覆いかぶさるような感覚がある。動画だとたたまれたレンズが開く瞬間だと思う。
ICLを挿入されるときの感覚を「痛みはないが押されるような不快感」という人が多い。私は相性が良かったのか両目とも押されるような感覚もあまり感じなかった。人によっては痛みを感じる場合もあるらしく、施術者によっても患者によっても違いそう。
その後ICLの位置を調整する。これも光源がくるくる動く感覚があって、調整してるんだろうなーというのがなんとなくわかる。痛みはないけどくるくるまわって少し酔う。
そのあと目を洗って片方終わり。もう片方。
痛みはなかったけどなにをやってるかは想像ついて緊張するため腿裏とか脇とか汗びっしょりになったから、「まだもう片方あるのかよ・・・」みたいな気分にはなる。
耐え方としては、光を信じて他のなにも見ないなにも考えないでその1点を見続けていれば、気づいたら終わってるくらいの感覚。
ここまで書いておいてあれなんですが、私は術前は動画を見ないようにしてました。無知は時に強いからね。
全体として手術自体に特に不満はなかった。手術を受けて思った病院による手術費用がの違いって、待合室が個室じゃなかったり休憩時間が短かったり食事が出なかったりというところにもあるのかなと思った。他の経験者の動画とかみるとね。
予後(翌日検診まで)
手術後に40分暗室で休憩したあと、光がある部屋に出て最初に思ったのは光が滲んでいるということ。それも右目だけ。
あとは目のなかに多少の異物感はやはりある。
直後の検診では手術は問題なく成功したこと、光の滲み等は時間の経過で補正されていくことが告げられる。
3種類の目薬を処方されたんだけど、目薬をさしたら染みるのなんの。針を刺されてるのかと思った。手術よりも術後の目薬のほうが痛かった。
外に出ると街灯や信号機の光に輪っかがみえる。これがハローかーと思う。耐えられないものではない。
あと蛍光灯を近くでみると目のなかに輪っかがみえる。ハローとは違うこの輪っかは、たぶんレンズの形なんだろうと思う。
視力は測ってないけど眼鏡をかけてた普段の生活よりちょっと見えにくいだったから0.8くらいかな・
いずれも事前に予想してた範囲の見え方。
翌日起きて感動するほどの視界ではなかったけど、前日よりも見え方が改善しているような気がした。
検診にいくと眼圧と視力を測定した。視力は右1.2左1.5、これが維持できれば不満はない。担当医師からも経過も順調である旨が伝えられる。
しかしパソコン画面での文字なんかはまだぼやけて見えにくいような感覚があるので改善される余地があるのかもしれない。
正直術後1日でここまで普通に見えるようになるとは思わなかった。脳が順応して補正しているのかもしれない。見たいように物を見るという人間の独善的な悪癖は精神的だけでなく肉体的にもその基礎をもっているのかもしれない。