5回目の司法試験を受けてきた。
コロナの状況のなかどうなることかと思ったけれど、どうやら無事に受けられたらしい。
試験の直前の時期がコロナの新規感染者数のピークの時期で、やるのかやらないのか気を揉んだけれども、やった。
極限状態のなかの試験だったけれど、受験生がマスクをつけていたこと以外はわりといつもの司法試験だった。
1つの机に2人座るのもいつも通りだったし、六法も使いまわしだったし、監督員はマスクにフェイスシールドをしていたものの鼻がマスクから出ていた。
仮にクラスターが発生したらぶっ叩かれそうな対策だったけれど、今のところそういう情報はない。世の中結果が全てなのである。
受けた感触はどうだったのか。
正直にいえば、択一で足きりの可能性が大いにある。
複数の予備校速報で採点した結果、そのうちひとつでは去年の足切り点の108を割っていて、どうやら割っていそうな雰囲気なのだ。
仮に割っていないとしても、ボーダーギリギリでは合格の可能性は限りなく低い。最後の年だから、論文が採点されることで生かされる場ももうない。
1週間経たないとこの結果を受け容れられないほどショックだったし、自分に失望した。
そりゃあ専業受験生と比べれば少ないが、それなりの時間を択一に注いでいたし、改正法の民法はともかく憲法刑法の過去問は9割くらいとれる感じに仕上げたつもりだった。それなのに今よりずっと知識が少なかった1回目の受験の頃よりひどいとは。
しかしこの有り様、なにをいおうと結果が全てなのである。
言い訳がましく敗因分析をするなら、コンディションを軽視しすぎたんだと思う。
いま読み返してみると、〇と×を読み違えているような箇所がいくつもある。落ち着いて読めば正解がわかるのに、まったく違う肢を選んでたりする。
試験に行くために前の週は無理して仕事を片付けてたし、試験場に着いてからは気持ちがたかぶって睡眠時間が短くなってた。マスクつけっぱなしってのも知らず知らず影響してたのかも。
それでも4日くらいなら最後までもつと思ってた。最後なんだから気力でもたせられると思っていた。
もう自分が思っているほど若くないということなのだろう。可能性が閉じていって自分の限界を見せつけられた。これがいちばんショックだったかも。
これからどうするか。
大きくふたつの道があって、すべてを忘れて生きていくか、予備試験を受けて受験資格を取り戻すか。
5回の受験資格を消費して失権したあとでも、予備試験を受かって本試験を受かる人もいることはいる。でも容易ではないし、目的と手段が入れ替わっているような気もする。
燃焼感はないけれど解放されたのだから自分がしたいことを楽しめばいい。
あれもこれもしたいと思ってできる時期はもう終わったのだとわかってはいるけれども。
今はまだどちらとも考えられない。