5回目の司法試験の結果
受かってました。
そっかあ、というのが正直な感想。
もちろん嬉しさはある。長年の努力のようなものが報われたといえるのかもしれない。
一方でこの合格が人生を少し難解にするのも事実。
今の生活・職を捨てて司法修習へ突入するかといわれると、少なくとも今年についてはたぶん行かないと思う。貯金が心許ないとか就職活動してないとかコロナで今後どうなるとかもあるけど、年度末にさしかかるこの時期に突然退職すると今の職場は混乱する。
4年間仕事の片手間に試験を受けていたわけだけど、受け続ける環境にいられたということには恩義を感じているので、去るときはきれいに去りたいという気持ちもある。
(もしかしたら1週間で気持ちがかわるかもしれないけど・・・)
じゃあ来年以降はどうなのかといわれるとうーん。
誰もが行ける環境ではないから興味はあるけど、今の生活と比べてしまう。5回目合格の身でつける地位、賃金、労働環境等々。行くとは思うけれど来年かといわれるとそれはまだわかんない。
さて、これが私の受けた5年間の試験のデータ。
出願者 | 受験者 | 短答合格者 | 最終合格者 | 合格率(最終合格者/受験者) | |
---|---|---|---|---|---|
平成28年度 | 7,730 | 6,899 | 4,621 | 1,583 | 22.9% |
平成29年度 | 6,716 | 5,967 | 3,937 | 1,543 | 25.9% |
平成30年度 | 5,811 | 5,238 | 3,669 | 1,525 | 29.1% |
令和元年度 | 4,930 | 4,466 | 3,287 | 1,502 | 33.6% |
令和2年度 | 4,226 | 3,703 | 2,793 | 1,450 | 39.2% |
順調に減ってる。今年の減りもコロナがどうという前に自然減の範囲という気もする。
今年度は短答合格の半分以上が最終合格してて、執念深く5年続けた恩恵でラッキーを拾った感がある。
令和2年度 | 受験予定者数 | 合格者数 | 合格率 | 令和元年度 | 受験予定者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 1,705 | 960 | 56.3% | 1回目 | 1,805 | 884 | 49.0% |
2回目 | 817 | 222 | 27.2% | 2回目 | 1,077 | 282 | 26.2% |
3回目 | 638 | 126 | 19.7% | 3回目 | 858 | 139 | 16.2% |
4回目 | 543 | 85 | 15.7% | 4回目 | 705 | 108 | 15.3% |
5回目 | 397 | 57 | 14.4% | 5回目 | 454 | 89 | 19.6% |
合計 | 4,100 | 1,450 | 35.4% | 合計 | 4,899 | 1,502 | 30.7% |
一方で受験回数別のデータ。令和2年度は前年度よりも1回目・2回目の合格率は高い。特に1回目。
要因はおそらく民法改正とコロナ。民法改正は当然新しい受験生のほうが馴染みがあるし、コロナ延期も卒業したてで勉強時間が不足しがちな1回目受験生に有利。
そんななかで15%をひけたのは・・・やるじゃんと。
でもコロナに関しては私にも有利に働いた。
今年は異動があって忙しい職場に移ったから従来の受験日である5月はくそ忙しくて休みもとれそうになかった。それがお盆の8月になって、勉強時間をたっぷり確保できたわけではないけれど、当日は余裕をもって受けに行けた。
あとマスク。日中仕事をしてるとずっとマスクをつけてるからその状態に慣れてくるし、自分にとって快適なマスクのタイプもわかってくる。専業受験生だと家でマスクをつけて起案する徹底っぷりを全員がしてたわけじゃないと思う。そこらへんも長期戦の司法試験では有利に働いた。
だから、幸運だったと思う。
色んな人を地獄に導いている原因で利益を受けた、と考えると手放しで喜ぶことはできないけれど。
色んなものが味方して拾った勝利、それは忘れないでいたい。